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変遷の中で  NO 3443

 新聞や雑誌だけではなく、ネットの中にも「終活」という言葉を目にすることが多くなったが、旅行会社がそんな企画を打ち出した事実もあるので時代の変化は著しい。

 葬儀も「家族葬」が潮流だが、そんな中に葬儀の意義を無視したり忘れてしまっている思いがあることも確か。

 幸いにも弊社を選択くださるお客様にはそんなお考えは少ないが、セミナーなどがあちこちで開催されている「終活」問題の背景に、主催者側のビジネス戦略に囲い込まれているケースも少なくないようである。

 社会の「お互い様」感情が希薄したのは確かだが、他人任せや業者任せだった葬儀の世界を、ご自身やご家族が真剣に考えられることはよいこと。事前相談の来られる方々が増えているが、そのアドバイスが業者によって大きく異なる現実もご理解いただきたいと願っている。

 ある公的な消費者団体から講演を依頼されたことがあった。役員の皆さんは「私達は消費者の立場で様々なことを学ぶ体験をしている」というような自負をされていたので、受講者の前で「このような団体の役員さん達が最も騙され易い」と発言したら会場がシーンとなり、私の次の言葉を待っていた。

 そこから悪質業者のテクニックについて解説し、価格の裏側の話をしたら衝撃を受けられ、終わってから役員さん達に感謝をされた出来事があった。

 役員さん達も受講された方々も葬儀の費用ばかりに興味を抱かれ、葬儀の意義や「死」から学ぶ「生」についてのお考えはなく、そんな心理的な話が歓迎されていた。

 最近に行われているセミナーや後援会の大半は価格を表面に出した囲い込み戦略で、そこで誤った情報を入手されてしまうと極めてお気の毒な結果となり、いざという時に「二重の悲しみ」となって後悔を生じることになってしまうので気を付けたいと願っている。

 弊社には全国各地の葬儀社や司会者が研修に訪れる歴史があり、それが何よりの誇りと考えているが、来社される人達に共通していることは「本物の葬儀のありかた」を求めていること。

 司会の研修に来られた人達に冒頭に伝える言葉がある。それは、弊社に来社されたことは間違いなく「幸せ」な結果となるが、しばらくは「不幸」な心情に包まれるだろうということ。

 それは、実際に体験されることでマイクを持つことが恐ろしくなること。「明日からマイクを持つ気がしなくなりました」とか「こんなレベルが存在していたなんて」と衝撃を受けられたからで、そこから新しい一歩が始まると激励して何度も来社した人達も多かった。

 そんな私が大病を患って声帯を半分失うとは皮肉なこと。しかし、変な声でも「お別れの言葉」を捧げたりしているので伝達のコミュニケーション機能があることに手を合わせているし、後継してくれている女性司会者のレベルが高いので、「後継者が育っている」とか「さすがに高級葬儀だ」という言葉を頂戴しているのは嬉しいことである。

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