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思い出したこと  NO 3501

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の3月2日放送分で、石山本願寺のシーンで「阿弥陀如来」である筈のご本尊が「釈迦如来」になっていたことを視聴者から指摘されたニュースがあった。

時代劇のセットでは時代考証などで問題になることもあるが、こんな宗教的な基本問題をNHKが仕出かすとは信じられない話で、例の新会長に対する内部の抵抗感の表れでは?と考えてしまう出来事だった。

さて、真面目な問題として触れるが、我々葬儀社はお客様の宗教に関して神経を遣うのは当然で、ご本尊を間違ったら大変なことになるので真剣に対応しているが、桐箱に収められたご本尊の掛け軸を何処に置いているかも重要なことで、倉庫の片隅の下部に置いているようでは最悪となるだろう。

昔、葬祭業界が仕入れの関係で取引する会社の展示会に行ったことがあったが、そこで新製品のコーナーに祭壇の奥に鎮座することを発想した宗派別のご本尊の仏像が提案されており、注目を浴びていた。

そこで抱いた疑問を担当者に質問したら、「ちょっとお待ちください」と上司に報告に行ったようで、しばらくすると部長という肩書の人物と共に戻って来た。

仏像の高さは座像でも1メートルを超えるもので、天井の高い式場でなければ設営が不可能な問題があったが、私が質問したのは俗に言われる「お性根」のことで、お寺のように開眼安置されたままなら考えることはないが、我々葬儀会社の場合は宗教が異なることが常で、その度に取り換える必要が生じるが、その際に木箱に収めて保管してもよいのかというもので、この「お性根」に関することは簡単なことではない問題を秘めていた。

一部の宗教では導師や信者の方が「ご本尊」を持参されるケースもあるし、掲げたり外す際にも我々業者に託されることもなく行われることもあるが、展示会で並んでいた「阿弥陀如来」「釈迦如来」「大日如来」などは果たしてどのような対応が提案されるのだろうか
と興味を抱いた訳である。

「お待たせしました。今回の展示会の責任者**と申します。担当者からご質問のことを聞き参りました」

物腰の柔らかいイメージの人物がそう言って対応が始まったが、彼は想像もしなかった結果を次のように返して来た。

「ご本尊に関します『お性根』問題は、業者様それぞれのお考えでご対応願えればと思っております。御社は本義に厳しいお考えがおありのようですが、大半の業者様はそんなことをお考えになりませんので」

そう言われたら驚くしかなかったが、注文契約をしている同業者の姿を見ながら疑問を抱いて帰阪した出来事として印象に残っている。

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