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体験談から  NO 3253

 このブログ、高級葬儀HP「独り言」、「幸せ列車」のコラムとしばらくは何とか三つのページを維持していこうと考えて行動中だが、不自由になりつつある目の調子を考えると大変である。

 それぞれ別のテーマで打ち込むわけだが、その日の出来事、過去の思い出から愚痴っぽいことまでネタには困らないので何とかなるだろうと自負している。

今日の「幸せ列車」のページでは10年ほど前に手術を受けた病気のことを書いたが、それをきっかけに喫煙することになった女医さんとのやりとりも紹介、しかし、その手術がそれから数年後に発症した大病の引き金になったのだから予想外だったこと。でもこのように奇跡的に「この世」に戻っているのだから「生かされている」という思いは誰よりも強い。

「幸せ列車」で触れた内容の中に、CTスキャンで大変な目に遭ったことは「別項」でと書いたので、このブログのページで紹介をしておこう。

 自身の腹部に存在することを知った異変、その確実な情報を得るために医院の先生からCTを進められて中堅の病院に行ったのだが、そこで想像もしなかった出来事に遭遇することになってしまった。

「では、こちらの上で横になってください」とCT検査機の寝かされて造影剤を血管内に入れ、腹部のカラー撮影をする予定ではじまったのだが、注射針がヶ腕の血管に入れられ、「ちょっと痛いでしょうが、すぐに終わりますから我慢してください。始まってしばらくするとお腹の部分が温かく感じますから」

 そう言って担当の看護師さんが技師のいた部屋の方へ行き、スピーカーから「では始めます」の声が流れて検査が始まった。

 どうしてこんなに腕が痛いの? 一向に腹部が温まって来ないけど? そんな疑問を抱きながらじっとして耐えていたが、半端じゃない激痛。おかしいのでは?と思った頃に看護師さんが血相を変えて飛び込んで来られ、平身低頭の姿勢で「申し訳ありません。失敗いたしました」と謝罪の言葉に現実を知った。

台車の上で起き上がって左腕を確認したら、腕時計が外せないほど食い込んでしまっている。そして何より驚いたのは腕そのものが1.5倍ぐらいに太くなってしまっているからだった。

「申し訳ありません」と言って技師の方も入室された。そこから連れられて行った場所は医師のいる診察室で、ここでも「大変なミスが起きてしまったようで申し訳ございません」と医師に言われて黄色っぽくなった腕を触られ診察を受けた。

 扉の所に立っている看護師さんの表情が固まってしまっている。診察室の中は異常なほど重い雰囲気。こんな環境が大嫌いなところから、次のように言葉を発した。

「人はミスを犯すものです。これは事故だと思って皆さんを責める気持ちはありません。私がお願いしたいことは一つだけ、どうしたら早く元に戻ろかと言うことです」

 そう言うと看護師さんの表情が「信じられない」という驚きに変わった。同時に少し安堵感も生まれたようで、一気に診察室内の空気が一変。すぐに医師の命によって塗り薬が届き、女医さんと看護師さんの二人で腕に塗った上から包帯でぐるぐる巻きにされた。

 三角巾を貰って首から腕を吊る姿になったが、待合室でフィルムを待っていると、事務長さんという人物がやって来られ、次のように言われた。

「様々な医療ミスが発生しますが、これは典型的に病院側の完全なミスです。にも拘らず、一切叱責もされなかったそうですが、あなた様は宗教者でいらっしゃいますか?」

 それを聞いて思わず苦笑してしまったが、そこで事務長さんに返した言葉は私の友人が音響機材のハプニングで「ベンチャーズ」のメンバーに謝罪した際の出来事。「君は謝罪する必要はないよ。あれは機材が謝る問題だ」という出来事を話し、世の中では「借」よりも「貸し」の人生の方が楽しいというビッグコミックの「浮浪雲」の主人公みたいな言葉を掛けると、事務長さんは涙を流された。

 カラー撮影だった筈のフィルムだが、白黒のものを持参して医院に行ったら先生と奥さんが驚かれ、クレームモンスターの大変な時代に、あなたみたいな人が被害者で病院も
ホッとしたことでしょうと言われた。