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こんな手口も  NO 3252

 高級葬儀の「独り言」のページに昔のマルチ商法のことを書いた。知人達が何かのきっかけで洗脳されてしまった出来事に触れたが、いつの時代にもややこしい仕掛けが存在しているみたいで、最近の振り込め詐欺のような劇場型犯罪が蔓延っているようなので気を付けたい。

「孫から電話が。『助けて』と言われてパニックになって」というニュースを観て「信じられない」と思った人が、後日に被害に遭ったというそれこそ信じられない事件もあったそうで、当事者になると想像もしなかった劇場にキャスティングされてしまうことあるようだ。

 過去に「幸せ列車」のコラムに書いた劇場型犯罪のことをこのブログでも紹介をしておこう。被害に遭ったのは同級生だった人物の友人だが、それは見事な手口であった。

 10席ぐらいしかないカウンター席の居酒屋での出来事。それぞれが上着を脱いで後方の壁にあったハンガーに掛けていたのだが、満席の状態の店に3人の客が奥の方まで入って来て「空いてないわ。満席だ」と出て行った。

 満席なのは表側から確認出来るのに不思議な話であるが、それがドラマの幕開け、序章となっていた。

 しばらくすると店の電話が鳴り、店主が対応している。何か表情が只ならぬ様子。やがてカウンターに座っていた同級生の友人の名前が突然呼ばれ、店主が「警察の人からです」と伝えた。

 驚いたその人物は、警察と称する相手からもっと驚く事実を聞かされることになった。さっき入って来た3人組がスリの常習犯で、別の店で犯行に及んだところを現行犯逮捕したそうで、所持品検査をしたところ彼の財布が見つかったそうで、何処の店と迫ったらこの居酒屋の名前が出て来たという経緯だった。

 名前が分かったのはもしも落とした場合のことを考えて財布の中に名刺を入れていたからだが、共に入っていた銀行のカードについて警察の人物が予想もしなかったことを言い出した。

「この銀行のカードですが、すでに被害に遭っているかもしれません。その確認はプライベートに関係しますので我々警察では出来ません。銀行の方に連絡をしますので電話があったら直接話してご確認ください。尚、被害届の手続きや財布をお返ししなければなりませんし、逮捕した人物の確認もしていただきたいのでその店におってください。あまり時間を取らせませんから」

 そんなやりとりを聞いて、その店にいた人達は「よかったなあ」と安堵することになったのだが、そこで電話が鳴り店主が出ると「**さん、**銀行だそうです」と言われて電話を代わった。

「**様ですか?警察の方から連絡がありました。被害に及んでいなかったら幸いなのですが、口座を調べますので暗証番号をお願いします」

 もうこれでご賢察されただろうが、警察も銀行もみんな犯罪グループのキャスティングされた仕掛けであり、何の疑いもなく暗証番号を教えてしまったのだから最悪のシナリオ。口座にあった残高はすべて引き出されるという被害に遭った。

 待てど暮らせど警察がやって来ない。そこで<まさか!>ということで気が付いた時は全てが終わった後。みんなその手口に唖然としたそうである。