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便利な裏側で  NO 3569

過日のことだが、新聞の訃報記事に忘れられない方が掲載されていた。随分と昔の話だが、ホテルで行われた盛大な「偲ぶ会」を担当させていただいた際の施主の方。その時に献花をされていたお姿を思い浮かべて手を合わせた。

また衝撃的なニュースもあった。我が大阪の大手葬儀社が運営している遺体保管所で異なる遺体を火葬してしまい、その発覚を隠匿するために別の遺骨を遺族へ渡したという信じられない出来事だった。

マンネリの中で発生するヒューマンエラーの恐ろしさはこれまでに何度か触れたが、起こしてしまったミスを隠匿しようとする行動に取り返しのつかない問題が秘められている。葬儀に従事している立場にある者は「人」を接している仕事であり、「物」を販売している立場でないことを意識しておかなければならないし、こんなことが起きていることは業界の恥ずかしい問題と指摘されるだろう。

弊社が加盟している協会には葬儀のプロ達が集まっているが、彼らに共通することはこの仕事が職人的な世界で、それは一生に一回だけの儀式からであると認識しているからで、ビジネスという言葉さえ禁句となっている。

研修会で学んだことは「大切な方の大切な終焉の儀式に大切な宗教者を迎える環境のお手伝い」というのがあったが、この仕事をビジネスと割り切って「感動させます」というおかしな発想をしている大手業者のトップが、テレビ番組の中で「遺族」のことを「消費者」と称していたことに衝撃を受けたことも忘れられない。

担当者がミスを犯してしまったという報告を受けた上司が自身に責任が及ぶことを恐れ、事件が表面化しないように隠匿することもあるようだが、会社組織挙げてその行動をしていることは最悪である。

前述した2社の葬儀社は上場会社だが、株主のことが気になったら遺族へして差し上げたいサービスを割愛することも考えられる。ある著名な投資家の書いた指摘に「内容の良い会社は株主の存在を意識していない」とあったが、そんな会社がどれほど存在するのだろうかと興味を覚える。

全日空のシステムトラブルで欠航となった便が多くあったが、便利なIT社会でひとつ問題が発生すれば大変なことになると考えさせられる出来事だった。

同じシステムを導入している他の航空会社にも影響が出ていたが、仕事、旅行の予定が大きく変更になって困った人達が多いと想像するが、ベルギーの空港のようにテロ事件で爆発するようなことだけは願いたい。

5月に伊勢志摩でサミットが行われるが、周辺の警備は随分と厳しいと予想するが、東京や大阪などの大都市圏を狙ったテロ事件も恐ろしいもので、これまでに何度も書いた「宗教と戦争は人を変える」という指摘は国際社会の困った問題であり、それらがなくなることは難しいと言われている。

全日空の欠航で大変な体験をしたことを思い出す。北海道で講演の予定があって関西空港発の便を予約していたのだが、出発時間になっても機内への搭乗案内がされないのでおかしいと思っていたら、機材の不具合で欠航となり、3時間後の便に搭乗をというアナウンスが流れた。

しばらくすると「搭乗予定のお客様にはランチ券を発行します」という放送も流れたが、千歳空港に迎えに来てくれる人達のことを考えたら大変なので電話で連絡をしている時、「プレミアムクラス御搭乗予定だったお客様はラウンジへお越し下さい」と食事でも出すのかなと思って行ったら、外国の航空会社の便が遅延したところから出発が遅れていた日本航空のコードしシェア便に搭乗出来ることになり、預けたバッグを受け取って日本航空のカウンターへ移動したが、1時間遅れで千歳に到着することが出来て安堵した。