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命の伝達  NO 3504

これまでに全国各地で講演をして来た歴史があるし、その受講者は同業者、宗教者団体、教育関係者、プライダル司会者組織、ホテル業界、旅館経営者団体から女将さん団体まで様々だが、そんな体験は晩年を迎えてから利用で立ち寄った際に再会という嬉しい出会いになって楽しみの一つとなっている。

同業者や葬儀司会者の来社要望から、多くの人達に指導研修を行って来たこともあるが、彼らに伝えた信念の中で重視していたのは何度か書いたことのある「親を送って一人前の葬儀社」「孫を有して本物の葬儀司会者」ということで、それは自身の体験から至った結論である。

弊社が加盟している「日本トータライフ協会」には「悲しみのプロ」を目指している葬儀のプロ達が存在している。共に研修を重ねながら「悲嘆」「ホスピスなどの終末医療」「グリーフケア」「アドバイザーとしての役割」などを真剣に学んでいるが、それぞれが交通事故の被害者の悲しいお通夜や葬儀を担当した体験から、「飲酒運転撲滅」に対する啓蒙活動も行っている。

齢を重ねて孫を持つと始めて「爺ちゃん」「婆ちゃん」の心情を理解することが出来、劇的と言う程葬儀に対する思いに変化が生じる。単純に分かり易く言えば「葬儀が優しくなる」ということで、悲しみの式場空間で「幸せにすること」は出来ないが、少しでも「不幸でないように」務める思いで接することになり、それは、葬儀の重要な意義の一つである「命の伝達」にもつながって来るものだ。

「爺ちゃん」「婆ちゃん」の思いは万国に共通するようで、アメリカの72才で亡くなられた男性が、「人生で学んだ18の教訓」として綴られた「最後の手紙」の内容が話題になっている。

それらの内容については「幸せ列車」の管理人さんのコラムに掲載されているのでご覧いただければ幸いだが、このお爺ちゃんの誕生日がお釈迦様と同じ4月8日というのも興味深いし、同じ日に私の2人目の孫がアメリカで生まれたこともあり、何か不思議なご仏縁を感じながら読むことになり、大いに勉強になったので感謝の思いで手を合わせている。

ご興味があれば幸せ列車 http:/happy-train.net/ でどうぞ。

様々なお葬式の光景を目にして来たが、幼い孫さん達がご出棺時に「お婆ちゃん、有り難う」「お爺ちゃん、有り難う」と伝えられている言葉の響きが最高の救いとなるが、「命を有り難う。大切にするよ。絶対に忘れないから」と言われた言葉を耳にした際には自分の葬儀の時のことを想像しながら、思わず感涙したものである。