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陸奥の地で  NO 3465

特急「スーパー白鳥」を利用して東北の地へ向かったが、車両の揺れは北海道と同じでかなり酷いもの。青函トンネル内を高速で走行する際は余り揺れなかったので枕木のある土壌に問題があるように感じた。

青森駅から逆走して新青森駅に到着。東北新幹線の「はやぶさ」を利用して東北最初の目的地へ向かったが、やはり新幹線は高速なのに在来線と比較して揺れを感じない。つまりはレールの下の部分に異なりがあるようで、乗り比べてみたら誰でも感じられることになるだろう。

この地も函館と同じで骨葬の慣習となっている。一昨日にお会いしたお寺様も仰っていたが、身内が訃報を知って駆け付けたら、もうお骨になっていたという出来事も少なくない。

休んでおられる姿を目にしたい思いは当たり前だが、慣習によってお通夜の前に火葬するなんて考えられない現実。その背景でどれだけの人が悲しい思いを抱かれているかを想像してしまう。

骨葬の慣習は昔から「漁港」を中心に行われていた歴史がある。喪主となる立場の人が長期間の漁に出ている間に身内に不幸が発生すれば、戻ってから葬儀という発想から先に火葬ということが考えられたものだが、海に面したところだけではなく、海のない地域でこの慣習が行われている地域もあった。それは「養蚕産業」の盛んなところで、送る側の事情を優先させる行為が認められるとは驚きでもあった。

骨葬の慣習は止めるべきというのが私の思い。人が作った慣習は人が変えてもよいではないかと伝えたい。火葬という儀式は、お通夜や葬儀を終えてからされるべきと考えたい。

これまでに何度か書いたことだが、「葬儀は人を集めて人を走らせる」という言葉がある。全国各地の人達が参列され、互いの地の慣習で揉め事になることも起きている。我々司会者もその問題を考慮し、開式前に各地で異なる慣習があることを伝え、今日はこの地の慣習で進めますとの宣言告知も重要である。

社葬から津軽海峡を見ていたが、北海道と本州が意外に近いことを体感した。マグロで有名な下北半島の大間と函館が直線距離で17キロという事実にもびっくり。大間で放射能事故が発生すれば、函館の人達も避難の対象になることになる。

明日は東北二カ所目の地へ移動する予定だが、新幹線を途中で乗り継ぐことになり、そこから在来線の各駅停車で随分と長い時間揺られることになる。