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写真のこと  NO 3420

「終活」という言葉を目にすることが多くなったが、そんな中に遺影用の写真撮影を専門とする写真館も登場、人気が高いと注目を浴びているニュースがあった。

 晩節に長い入院生活をされていたケースには晩年に撮影された写真のないケースもある、し、高齢の方の中には「写真は嫌い」と撮影されることを避けて来られたところから昔の写真しかないこともあり、参列に来られた方々が遺影を見られて驚かれる光景を目にした体験も少なくなかった。

 お通夜や葬儀の参列者の会話の中に、「お葬式用の写真を用意しておかないといけないね」というような会話を耳にすることもあるが、それらはメモリアルコーナーの前で交わされる言葉に「やはり写真を残しておくべきね」と仰っていることが多い。

 ご遺族との打ち合わせの中で、「遺影用の写真の良いのがないので、今、孫達に連絡をして探しています」というようなことも多くなり、孫さん達からメールで送信されて来ることも増えている。

 昔の遺影と言えば男性なら「紋付」や「モーニング」に。女性なら「喪服」に着せ替えるのが当たり前だったが、極めて故人の自然さが感じられるものが選択されるようになり、愛用されていた帽子姿や葉巻を吸われている姿やパイプを口にされているケースもあり、参列者の方々から「**さんのいつもの姿だ」の声を聞くことになる。

 私がこれまでに担当させていただいたお客様で、80才を超えられる女性なのに、お写真がなく、見つかった30代の写真をお飾りしたのが最も印象に残っているが、弔問に来られた方々が式場を間違ったのではと思われ、玄関のお名前を確認に行かれた光景を目にしたこともあるが、お母様の御葬式なのに、喪主様よりはるかに若いイメージの写真が飾られているのだから無理はなく、謝辞の挨拶の中でその事情を説明されていたのを記憶している。

 ある葬儀で何とかご遺影の写真は出て来たが、メモリアルコーナー用の物がなく困っていたら、近所の人や友人の方々が持ち寄ってくださったこともあった。そこには地域で出掛けられた日帰り旅行の写真などもあったが、ご本人はカメラの趣味や携帯電話で撮影されることもされなかったそうで、息子さんが拝借された写真をパソコンで複製されてアルバムを作られ、奥様が喜んでおられた出来事も憶えている。

 こんなことを書いている私自身も写真が少ない。旅行に出掛けてもカメラを持たず、携帯電話にもカメラ機能がないのだからどうにもならない。

 さて、昨日の号で広島市役所の職員アンケートで「8、1%」の人達が飲酒運転の経験があるというニュースについて触れたが、「このぐらいだったら」「そこまでだから」なんて横着な考え方が多かったようで、その%を数字にすると「1769名」になるというのだから恐ろしい。