記事一覧

逸話から  NO 3382

「幸せ列車」のコラムでは迷信について書き、「独り言」では最近に目立って多い不適切写真の投稿について触れた。

 葬儀という仕事に影響を及ぼす迷信と言えば「友引」であるが、東京では友引の日は火葬場が休日となっているところから葬儀は行われず、友引の次の日に多くの葬儀が重なることになる。

 我が大阪市内では休日ということはなく、今から30年ほど前は通常の日の半分程度に減少していたが、最近ではあまり変わらなくなりつつある状況である。

 迷信や占いに左右されることなくと説かれた親鸞聖人の教えもあり、浄土真宗系では抵抗が少ないようだが、ご近所やご親戚の意見もあって気にされる方が少なくないようで、遅らせるケースもあることも事実である。

 一日延ばすとご親戚の方々への飲食接待費が増えるところから決行されるケースもあるが、元々は「共に引き合って勝負なし」という意味だったのにどうして?という思いを抱いている。

 前にも書いたことがあるが、巨人軍の名誉監督である長嶋氏について語り継がれている出来事があるので紹介しておこう。

 長嶋氏が現役の監督時代、ペナントレースも終盤を迎え、後楽園球場で優勝を左右する重要な試合に向けて大型バスで移動している時、擦れ違ったのが霊柩車。監督は選手に向かって「縁起がよい。今日の試合は勝てる」と言われ、その日の結果は幸運に恵まれることもあって勝利することになった。

 そして次の日、連戦で球場へ向かうバスの中で、「運転手さん、霊柩車に遭遇するまで走りましょうよ」と願ったそうだが、残念にもその姿を目にされることはなかった。なぜなら、その日は「友引」の日で、都内の火葬場は休日。霊柩車が走行することはなかったという事情があった。

 長嶋氏は「勘ピューター」という言葉も知られているが、常人では思いつかない感性も有しておられたようで、験を担がれることも多かったそうである。

 長嶋氏の逸話として知られていることに、息子さんを後楽園球場に連れて行ったのに忘れて帰られたことや、上野駅のロータリーにエンジンを掛けたままの車が駐車しており。不審に思った警察官がナンバープレートを調べてみたら長嶋氏の車だったそうで、氏は電車で移動されていたそうだった。