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ホスピタリティ  NO 3378

 商店街を歩いていると、昔から交流のある花屋さんのシャッターが降りている。貼られていた紙に書かれている文字を確認すると、約2週間、産地研修会のため休業しますとあった。

 2週間も不在となると、店内にあった筈の多くの花はどうなるのだろうか。戻られてオープンさせたら枯れたり蕾が開花していたらどうするのだろうかと心配になったが、こよなく花を愛される人物なのできっと何か対策を講じていると想像している。

 今日の午前中に大阪市内に降った雨は記録的なものだった。10分間に27,5ミリも降ったのだから凄いもの。大阪駅周辺ではマンホールの逆流現象も発生し、近くで浸水の被害が出たと報じていた。

 同じ頃、弊社の式場で葬儀が行われていたが、会葬に来られる時間帯に被さってしまったので大変だったと拝察する。

 式場の中に入れば雨の心配もないしエアコンの恩恵の世界がある。玄関スタッフがタオルを手に濡れられた参列者の皆さんをフォローしてくれていただろうと思っているが、ここでふと思い出したホテル「リッツカールトン」の顧客サービススタッフのホスピタリティの基本として指導されている項目について触れておこう。

「感謝の心」「誠実の心」「思いやりの心」「謙虚な心」「愛の心」「忠誠の心」「使命感の心」「奉仕の心」の8点だが、前にも書いたが、「お客様は紳士・淑女で、その方々を大切に対応する立場の我々も紳士・淑女であるべき」という発想は他のホテルには見当たらない心情で、スタッフに特別に与えられた責任というのも興味深い発想であった。

 もしもお客様に粗相をしてしまった場合、すぐに上司に報告するのが世の常だが、このホテルでは対応予算と対応時間の権利が本人に与えられており、それをオーバーする時は上司に連絡という取り決めが存在している。

「幸せ列車」のページで「天国ゆきの切符」のプレゼントの企画が紹介されているが、これは弊社が加盟する「日本トータライフ協会」のメンバーである葬儀社が実際に行った配慮で、病室で壮絶な闘病生活を過ごされて亡くなられた故人が、「もう一度富良野に行きたかったなあ」とお心残りがあったことを耳にしたスタッフが、富良野行の切符を購入してご遺族へプレゼントしたエピソードがベースになっている。

 その会社は「苫小牧市民斎場」だが、何度も訪問したことがあるが、行く度にサービス発想が進化している事実が素晴らしいし、地域のベストワン、オンリーワン企業として認められていることを嬉しく思っている。

 この会社のスタッフにも一定の予算の執行権利が認められており、その金額をオーバーすれば上司の採決となるが、この会社のスタッフや、同じグループの室蘭市民斎場のスタッフ達が実際に行った感動的な配慮がいっぱいあり、彼らと会うといつもそんな話題を語り合っている。

 福岡県で幼い子供達3人が犠牲になった飲酒運転事故から7年が経った。九州の大手バス会社の運転手が酒気帯びチェックを同僚に代行させてすり抜けていた疑いが表面化したり、新幹線の運転士が運転中に公的な携帯電話を私的に利用して8人が処分されたというニュースもあり、交通機関に携わるプロが何たる行為と嘆かわしい限りだが、我々葬儀社の協会が「飲酒運転撲滅」を訴える行動も打ち出しており、上述の苫小牧市民斎場も室蘭市民斎場も加盟するプロの仲間達である。