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各駅停車  NO 3260

 地震の被害状況を伝える深夜のニュース、そこで解説する若い男性の言葉にびっくり。所謂聞き苦しい「ですね調」だったからだ。

「今日のですね、地震はですね、これまでの余震とは違ってですね、少しですね、異なるようなですね、感じがですね」

 ちょっと誇張した列記だが、こんな言葉を耳にしていたらチャンネルを変えたくなるのは当たり前。テレビ局という世界でこんなレベルの人物をコメンテーターに迎えるとは信じられないこと。

「ですね調」は、これまでにも何度か指摘したテーマだが、意外と大学教授にも多く、こんな調子で「講義」をされたら間違いなく学生から「抗議」されるだろう。

 言葉の問題として思い出すのは、ケネディ元アメリカ大統領のご長女のこと。彼女が日本の大使として赴任するのではという話題が浮上していたが、日本語に直すと「あのう」という言葉の多用が病的なほど多いそう。周囲にそんな人がいっぱいいるし、政治家にも
語尾の母音を聞き苦しいぐらい引っ張る人も多く、それがどれほど説得力をダウンさせるかを考えて欲しい。

 一方で、気象庁の記者会見を観ながら疑問に思ったのは、音響設備の余りにも酷い現実。テーブルの上に各社のマイクが並んでいるのにハウリングを起こしているとは理解出来ないこと。音響に神経を遣う筈の放送局各社のいい加減な対応に情けない思いを抱いた。

 三宅島の地震で思い出したことがあった。群発地震が続いて火山の大爆発という出来事があったが、その半月後ぐらいに東京に出張し、品川駅からホテルに向かって歩いていたら、若い男性に付き纏われ、三宅島の被災者に寄付をとしつこく言われて閉口したからだ。

 何の書類も持たず、募金箱さえ用意されていない便乗型の詐欺ボランティアの典型的タイプだが、あれだけしつこいとい根負けしてしまう人もあるだろうと想像した。

 三宅島は1983年と2000年に火山爆発の記録があるが、全島民が避難を余儀なくされ、5年後に解除されても全ての人に脱硫マスクの携帯が義務付けられているそうだ。

 全島民避難と言えば伊豆大島の三原山も1986年11月の大爆発が思い出される。一万人の脱出劇として知られ、1ヵ月後に解除されることになったが、火口周辺は10年間ずっと立ち入り禁止となっていた。

 最近、富士山周辺の異変が話題になっているが、今回の地震は大丈夫なのだろうかと心配する。自然とは我々人間の手に負えない問題がある。天災とは人間に対する「試練」とも言えるが、それに関して生じる「人災」だけは起こさないように願ってしまう。

 さて、「幸せ列車」の私のコラムのコーナーだが、仮題となっていたものを管理人さんが命名してくださったので手を合わせている。「久世栄三郎の各駅停車」というタイトルだが、いつどこでも寄り道が出来るみたいな雰囲気があり、つい脱線する危険性があるかもとの問題もありそうだ。

 でも、他の執筆者の皆さんのイメージを落とさないように気を付け、ぼちぼちと更新したいと考えている。